私の生きざま 5

東京に出て予備校に入った。 それは、貧しい家計の中からの精一杯の出費だったと思う。 たまに送られてくる果物などを受け取るときに涙があふれた。 その予備校では、「実力試験」が毎週あった。 成績順に20人の名前が張り出された。 その中には、聞きなれていた都内の有名校の名前が並んでいた。 それが身近にあることが励みになった。 や…
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私の生きざま 4

山あいの中学を卒業して、旭川市の高校へ進んだ 田舎で育った私は、都会への憧れが強かった。 都会に出ると、新たな出会いが待っているように思えた。 高校に入学して間もなく、「実力試験」があった。 100番目までの名前が廊下に張り出された。 その中に私の名前がなかった。 それは、さすがにショッキングな出来事だった。 自己否定の坂…
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私の生きざま 3

父親は教師だった。 田舎周りの転勤が多かった。 それに伴って私も転校した。 私は転校が好きだった。 私には「こころのふるさと」がなかったからである。 見知らぬ所に行けば、新しい世界が開けるような期待があった。 最初の転校は小学校4年生のときである。 転校した先は山あいの「部落」だった。 子供が少ないので、ふた学年で一クラ…
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